2012年07月05日
東京『百花園』のボランティアガイドをしている知人のブログで、半夏生(はんげしょう)の花の頃と知り、「そういえば、半夏生見たことなかった」と
気づいて、京都の両足院へ見に行くことに。
半夏生は季語のひとつ。ちょっぴり俳句を齧る者としては、ちゃんと見ておかないとね!
向島百花園(東京都公園協会/公園へ行こう)
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index032.html
知人のブログ「うちのお庭は百花園。俳句で味わう言葉と自然と日常と」
http://hyakkaen.buzzlog.jp/e246141.html
◆天から毒が降る、妖怪が徘徊する!?日
実は歳時記で混乱していたことがある。歳時記の植物の欄にある「半夏生草」とは別に、時候欄にも「半夏生」がある。
この半夏生は、節分や八十八夜、入梅と同じように、季節の移り替わりを的確に摑むために設けられた暦日のひとつ。毎年7月2日ごろに当たる(今年、2012年は7月1日)。
農家にとっては節目の日で、この日までに農作業を終えて、休みとする地方もあるそうだ。この間、天から毒気が降ると言われ、井戸に蓋をしたり、この日取った野菜は食べないなどの禁則がある。
ハンゲという妖怪が徘徊する、と言われる地方もあるらしい。
妖怪好き、の私としてはワクワク! どんな妖怪? また調べてみよう。
さて暦日の「半夏生」の名は、「半夏」(カラスビシャクの別名)の咲くころが由来とされている。あれっ、「半夏生草」とは違うような・・・。
時期が同じ頃なのは間違いないが、半夏生(暦日)と半夏(カラスビシャク)と半夏生草の関係は、まだスッキリしない。俳句の先輩に聞いて、確認したいと思う。とにかく半夏生草を見なければ!
◆白く粧うから半化粧とも。半夏生の盛り
半夏生草は、片白草(かたしろぐさ)とも呼ばれるドクダミ科の多年草で、花の頃に花に近い葉の片面が白くなって(つまり、目立って)虫を集め、受粉を促すユニークな草花だ。白く粧うから,半化粧の表記もあるようだ。訪れたこの日(6月30日)、確かに葉が白くなり、美しい庭園は涼しげな風情を増していた。
花の頃を過ぎると、白く変化した葉もうっすら緑を取り戻すとか。半夏生の花の盛りを見ることができて、大いに満足した土曜だった。
※両足院は、祇園の建仁寺の中にあり、京都観光の際にも訪れやすい。
京都 両足院
http://www.ryosokuin.com/
◆穢れを払えば、失せ物出できし!
半夏生を見に行った日は、丁度、夏越の祓(なごしのはらえ)の日。各地の神社で行われる行事だが、私は地元で体験したことがない。歳時記にも掲載され、季語のひとつでもあるので、半夏生のついで(というと失礼だが)、京都でお参りすることにした。
穢れを払う大祓(おおはらえ)の行事は、701年、大宝律令により正式に宮中行事に定められたという。今から1300年以上前の飛鳥時代だ。当時は今と違って毎日入浴したりする環境になかった。で、夏場は疫病なども流行りやすい。そこでこれから夏、という六月に大祓をして身の穢れを払ったのだそうだ。これが夏越の祓(なごしのはらえ)。
大祓(おおはらえ)は十二月にも行われ、こちらは年越の祓(としこしのはらえ)という。
夏越の祓(なごしのはらえ)では、茅の輪をくぐったり、人の形に切り抜いた形代を流したりして、穢れを払う。
大祓とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%A5%93
上賀茂神社HP
http://www.kamigamojinja.jp/
茅の輪をくぐる人は、みな神妙な面持ち。
くぐり終えた人は、すっきり晴れ晴れとした表情をしていた。
いざ、私も!
来るとき無くした帽子が出てきたのも、お祓いのおかげかな?
梅雨空を出かけ、途中、通り雨にも遭遇したが、半夏生と茅の輪くぐりで、心身ともにすっきりした一日となった。