2013年08月28日
毎年、9月1日は防災の日。この時期、防災グッズの見直しをされる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、災害時だけでなく、キャンプなどアウトドアでも使える「防災ライト」に注目し、比較検討してみました。
ひと口に「防災ライト」といっても、ラジオや携帯電話の充電機能まで備えた本格仕様のものから、自宅の常夜灯タイプのものまで多種多彩。その数ある中から今回は、マニアックすぎず、普段使いができて、家に置いていても良いかも?と思える、すっきりとしたデザインの防災ライト3種類を選出。「いつものとき」と「もしものとき」、大きく二つの視点で比べてみた。
さて、選んではみたものの・・・。
これって、「防災用品」だとわかる?
未だ記憶に新しい東日本大震災。筆者(タイチョウ)も震災当時は関東に住んでいたため、計画停電の発表を聞き、慌てて懐中電灯を購入しに走った経験がある(で、結局どこも売り切れで、業務用のえらい高額な懐中電灯を買うはめになった)。そんないざというときであれば、どんな商品でも「えいやっ」と買えるが、普段、何の気無しに家電量販店に行き、ずらっと懐中電灯が並ぶコーナーで商品を見比べても、なかなかピンとこないかもしれない。まずはそんなユーザー目線で、3つの商品のパッケージに注目してみた。
いかがだろうか?
イマドキはネット購入が主流だから、このようにパッケージデザインを見比べることは少ないかもしれない。だが仮に、この3つが店頭に並んでいたとしたら、「Pioma/ここだよライト(以下ピオマ)」の「地震で点灯」「探す不安を解消!」「被災者の声を商品化しました」などの具体的なメッセージは、やはり目を引く。
一方、「YAZAWA/充電式LEDセンサーナイトライト(以下ヤザワ)」と「Panasonic/LED 電池がどこでもライト(以下パナソニック)」はどうか?いずれもよく見ると「消灯後や緊急時の暗闇から家族を守ります。」「いつもの便利、もしもの備え」と小さく書かれてはいるが、ぱっと見で「防災ライト」とは分かりにくい。よって、パッケージデザインはピオマに軍配が上がった。
“もしも”のとき、すぐに取り出したいが、
“いつも”家で目立つのはNG!
防災ライト(懐中電灯)は、日常的に使うことは少ないため、必然的にどこかに収納するか、わかりやすいところに設置しておくことになる。その場合の取り出しやすさ(=「もしも」のときに、すぐに置き場所がわかる)で比べると、懐中電灯タイプのパナソニックよりも、常夜灯として設置できる「ピオマ」か「ヤザワ」に軍配が上がる。では、「いつも」のとき、常夜灯タイプとしての「インテリア性」と「明るさ」はどうかというと・・・。
日中の会議室で、メンバー4人で検証した際は、見た目のインテリア性では、「ヤザワよりもピオマの方が、壁への馴染みも良くすっきりしている」と高評価。ところが、メンバーそれぞれが自宅に持ち帰って検証したところ、評価が一転した。「自宅で見るとピオマは意外に大きくて目立つ」。また明るさも「地震の揺れで点灯する設計で、そもそも常夜灯ではないが、やや明るすぎ。暗くして音楽を楽しむくらいの灯り」という感想も出た。
一方、ヤザワは、「暗くなると灯り、明るくすると消える。常夜灯としての明るさも程よく、コンセントから外すと白色の光に切り替わるのも良い」と高評価。パナソニックはタイプが違うが、「家に置いておく懐中電灯」として見れば、デザインもすっきりしていてコンパクトで良いという評価だった。
では「もしも」のときの使い勝手はどうだろうか。各商品の検証結果を順にまとめてみた。
もしものとき、懐中電灯としての
力量を発揮するのはパナソニックか?
仮に震災が発生し、夜に避難所へ移動したり、テントで夜明かしするとしたら、まず「明かりが長持ちすること」が望まれる。この点では、充電式よりも乾電池式のパナソニックに軍配が上がる(数値は文末の表を参照)。またパナソニックの特長は、単1〜単4までどの電池でも使えることなので、万一の非常時でも「合う電池が無い」ということがない。光量も十分なうえ、光が拡散するので手元も遠くも明るく、自宅での探し物やランタンのような使い方もできる。把手付きなので、手の小さな子どもにでも持ちやすいだろう。
災害時にほっとできる光のピオマ。
懐中電灯としての持ちやすさには難点も。
次にピオマだが、やわらかく拡散する光のため、懐中電灯として避難時に遠くまで照らすには、やや心もとない。ただし、災害時に自宅が停電した際に、こうした暖色系のやさしい光があると、落ち着きを与えるのではないかという意見もあった。難点は、コンセントから抜いたときにコンセントプラグが出たままなところ。懐中電灯としては、やや持ちにくい点が惜しい。
光が2種類でコンセントプラグも収納。
コンパクトでも実力派のヤザワ。
ヤザワは、コンセントから抜くと、常夜灯のときとは一転して白色の光に変わる。光が収束されているためか、小さい割には遠くまで光がよく届く。コンパクトで、コンセントプラグを収納できるので、持ちやすい。災害時だけでなく、家具の裏の探し物などにも重宝しそうだ。
価格も含めた最終的な集計は下記の通り。僅差だが、ヤザワが他の2つを上回り、1位となった。パナソニックは商品性がやや違うので、純粋な比較結果ではないかもしれないが、最終的には2位となった。
こうしてみると、充電式と乾電池式、常夜灯型と懐中電灯型、それぞれメリット・デメリットがあることが分かる。もしもの備えとしては、両方を準備しておくと万全を期すことができそうだ。来る防災の日には、ご自宅の防災グッズの見直しとともに、防災ライトの購入をご検討されてはいかがだろうか。