2011年12月22日
ニューバランス LM576UK
40代も半ばを過ぎ、革製品がマイブームです。経年変化が楽しめ、自分の年輪が刻まれていくかのような、そんな気がします。人生折り返し地点を過ぎ、自分かモノか、どちらが先にくたばるか勝負です(笑)。
というわけでスニーカーを新調するにあたり、今回はちょっと贅沢に本革製のスニーカー「ニューバランス・LM576 UK」をチョイス。スニーカーごときに数万円とは家族に後ろめたい気持ちにもなりますが、この手の買い物は、自分を納得させるところから始まります。
イギリス製、ドレッシーなスニーカー
ニューバランスというメーカー、1606年に扁平足などの矯正用シューズ製造元としてアメリカ・ボストンでスタート。60年代からは外科的なノウハウをもとにランニングシューズ製造に着手、現在に至るようです。靴屋さんのスニーカーコーナーでよく見かける、側面に「N」という文字が貼付けてある、あの靴です。
そんなニューバランスのなかでも名品との呼び声も高い「M576シリーズ」。発売開始は1988年、20年以上もの間、形もほとんど変わらず販売されているロングセラー商品です。現在の生産は、アメリカ、イギリス、中国の3国で行われており、国によってデザインや仕様が微妙に異なります。
今回はその中でも「Made in England」をセレクト。品番の最後に「UK」とあるものがイギリス製です。
「Made in England」を選んだ理由は、まず英国らしい落ち着いたカラーリング。購入の「リミテッドエディション」のカラー展開は単色がほとんどなのですが、ネイビー色に限り、ステッチ部に他の色(ベージュ)が使われています。これが非常に良いアクセントとなり、スニーカーでありながら気品すら感じさせる仕上がりになっています。
また使用される革も生産国によって違いがあるらしく、イギリス製は上質な柔らかめの革が使われています。製造も革靴を生産していたフリンビーの老舗工場で、現在も熟練した職人の手によって行われているそうです。
ちなみにアメリカ製は、しっかりした腰のある革が使われており、デザイン以外でも革の質の違いで選ばれる方も多いようです。
こういう「物語」情報を耳にしたら最後、おじさんはやられました(苦笑)。
ジャストサイズよりデザイン優先
このM576、アッパー部やソール部のフォルムにも今風の尖った部分がなく、世代を問わず履きこなせるベーシックなデザインだと思います。ジーンズやチノパンとの相性はもちろん、パンツやジャケットなどとうまく組み合わせれば、ビジネスシーンにも使用できるかもしれませんね。
しかしこの手のスニーカー、ある意味マニアックな商品。価格から見ても売れ筋ではないため、町中のショップではなかなかお目にかかれません。
となると購入はネットショップとなるわけですが、気になるのがサイズ合わせ。ショップ側も日本サイズとの比較や、履いた印象をコメントしてくれてはいるのですが、ちょっと心配ですねよ。
また今回のM576ような「こだわり」商品は、市場に出回る数そのものが少なく、日本人の平均サイズ(26〜27cm)はあっという間に品薄に。
なので私自身もスニーカーのサイズに関しては、ある程度妥協して購入しています。まあ、これを履いて陸上トラックや42.195キロを疾走するわけでもないので、0.5ミリほどの違いは日常生活では気にならない、というのが実感です。
手持ちのスニーカーをあらためて確認したところ、ニューバランスは、USサイズ8.5と9(日本サイズ26.5cm、27cm)、ナイキについては、USサイズ9、9.5、10(日本サイズ27cm、27.5cm、28cm)と、1センチほどのサイズ幅がありました。いろいろローテーションをして履いていますが、数字ほどのサイズの違いを感じることはありません。ちなみに私の日本製ビジネスシューズのサイズは26cmです。
「包まれるような履き心地」を期待
ニューバランスではもう一足、M574という、M576の廉価版シューズを5年程愛用しています。このM574の好印象も今回の購入への後押しとなりました。
M574の長期使用の感想は、さすが矯正用シューズをルーツに持つメーカーの製品だけあり、歩き出すと、足全体を毛足の長いタオルで包まれサポートされているような印象を受けます。
タオルと表現したのは、靴本来のフィット感と歩くことによって生まれる靴内の適度な遊び感が絶妙で、まさに柔らかなタオルで身体をくるんでいるかのような感覚だからです。このバランスが高い次元で成立しており、さすがと言った印象です。歩くのが本当に楽で、歩幅やスピードも自然と上がります。
今回購入のLM576 UKも素材は違えども、アッパー部のデザインパターンはM574とほとんど同じ形状です。一週間ほど使用しましたが、履き始めは若干固めの印象。しかし本革製、時間とともに足になじんでくれば、同等それ以上の履き心地が期待できることでしょう。
さて、肝心の履き心地は?次回の使用レポートで。乞うご期待!