遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

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ありとあらゆる情報が溢れるいま、役に立つ情報が見つけにくい。
20代から60代までの「遊民悠民」メンバーが、「遊ぶ」「暮らす」「食べる」をテーマに
さまざまなモノを比較し、レポートしていきます。

たべる

コンビニ惣菜食べ比べさて軍配は?    

人気のコンビニPB食品バトル 塩鮭編

コンビニPB(プライベートブランド)食品の市場規模は8600億円を超える。2017年には1兆1225億円という巨大市場に成長すると予測されている。(2012年見込:富士経済調べ) もともと男性・単身者・若年層向の商品だったのが、震災以降の商品供給の混乱もあって、今では50代以上の女性や高齢者にも支持を得ているらしい。バリエーションの豊富なコンビニPB食品の中でも、特に底堅い売り上げを堅持しているのが、個食サイズに密封された「パウチ惣菜」である。

はてさてわが世の春を謳歌するヒット商品、お味のほうはどうなのか? コンビニ各社ごとにどのような差別化ポイントを有しているのか? 物見高い遊民悠民のメンバーとあれば試してみる以外にない。そこで、最も一般的でかつ各社に際立った差がでないと思われる(ちょっと意地悪?)塩鮭を選び食べ比べてみた。はてさて、軍配があがるのはどの商品か? 土俵に上ったのは、セブンイレブン部屋【銀鮭の塩焼】関、ファミリーマート部屋【銀鮭の塩焼き】関、ローソン部屋の【紅鮭のひとしお焼き】関。以下はそのレポートである。

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セブンイレブン 【銀鮭の塩焼】

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「3つの中では、一番マイルドな感じ。」(N)

「マイルドというより、むしろ油がまとわりつく感じがする。」(M)

「そうですね。オイリーです。鮭フレークの味がしますね。油っぽいからかな?」(F)

「見た目にも、油が乗っているようにみえますね。」(M)

「うん、オイルが入っている感がすごくする・・・」(A)

「これだけが他と違い真空パックのパウチ。すごく日持ちがする。それでいて保存料は使っていないとあるから、その点が座布団一枚ってところかな」(I)

「食塩の量がきっちりと表示されているし、パッケージもものすごく切りやすく、開けやすい。全体的に気配りが行き届いている気がしますね。」(A)

味については、「少し油が…」という声が上がったが、総合評価では概ね、好感が得られたようだ。ちなみに、この商品は「お子様からお年寄りまで、広くご満足いただける食品メニューから、女性の社会進出や高齢化など、多様化する生活のニーズにきめ細かく応える暮らしの品まで、お求めやすい価格で提供する」というコンセプトのもとに展開されている「セブン&アイ プレミアム」ブランドのひとつ。Webのコピーには、「幅広い世代から人気の「銀鮭」を、余計な調味料を使用せず、シンプルに味付けし、おいしさを引き出しました。遠赤外線加熱製法で均一に加熱し、ふっくらと風味豊かに焼き上げました。」とある。

ファミリーマート  【銀鮭の塩焼き】

P1020402 「辛いけど、あっさりしている。悪く言えば、身がスカスカしてるとも言える。あくまで好みですが…」(A)

「昔ながらの塩鮭の味。ちょっと塩辛いけれど。塩辛さが賞味期限にも関係するのかな?

結構持ちますね。」(F)

「見た目も、らしくってきれいです。でも、容器にこだわる必要があるのか?」(N)

「何言ってんの? お皿をわざわざ出さなくでも済むじゃない。単身赴任者には、別のお皿に盛り付けなくてもいいことは、ポイントの一つよ!」(I)

「見た目には、パサパサ感がある。」(A)

「パッケージにグラムやカロリーがどこにも書いてないのね。これはかなり大きなマイナスでは?」(M)

味については塩辛いのを素朴だとするプラス評価と、パサパサ感を指摘するマイナス評価に分かれたようだ。「表示に問題あり」が大方の意見だった。

この商品は、「彩りファミマデリ」のブランドカテゴリーに属する。同ブランドでは、

①     定番メニューのおいしい工夫

②     メニューのオリジナリティ・創作性

③     季節感あふれるメニュー

④     洗練された見た目

の4つをこだわりポイントにしている。容器へのこだわりもブランドコンセプトの一環なのだ。Webの商品コピーには、「チリで水揚げされた脂乗りの良い「銀鮭」を、じっくり焼くことで、余計な脂を落とし、旨みを閉じ込め、香ばしく焼き上げました。」とある。

ローソン  【紅鮭のひとしお焼き】

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「私は鮭のアラが好きなので、この商品の印象は良かった。でも何かひと味欠けているのよね。何かしら?」(I)

「たしかに。一度塩漬けにしてから水にさらして、焼いて戻したような…」(A)

「おにぎりに入れたらコレがおいしいと思う。食べなれた味がしますね。でも、たしかにお魚の味としてはどうか…。パッケージの見た目が、これじゃイヤ。ぎちぎちに詰め込んでいて、なんだか捨てるものみたい。」(M)

「でもパカッとあけるだけだから、ハンドリングは悪くないよ。」(N)

「小食な高齢者が取り分けるのにも便利。」(F)

「ウロコの残る食感が耐えられないわ。」(I)

他の商品は銀鮭、こちらは紅鮭。賞味期限も短く、形状も切り身ではないなど、他の2商品とはやや趣きを異にする。お店に聞いた話によると、つい最近まで、ローソンにもパウチ式の切り身があったのだが、こちらに切り替えたそうだ。理由はわからない。また、直近のWebサイトには、この商品すら、探し当てることができなかった。天下のローソンもこと塩鮭に限っては、鬼門なのか?

味では好みもあるが、表示・価格・見た目・簡便さなどの総合評価で1位を獲得したのは、セブンイレブン。たかが塩鮭、されど塩鮭。考えていた以上に各社差別化への取り組みはそれぞれ個性的だった。味付けの強さは気になるが、急場を持たせる一品として、買い置きする価値のある一品ではないかと思った。塩鮭ひとつ取っても、決して侮れないコンビニPB食品であった。             中田無麓

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