遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

ありとあらゆる情報が溢れるいま、役に立つ情報が見つけにくい。
20代から60代までの「遊民悠民」メンバーが、「遊ぶ」「暮らす」「食べる」をテーマに
さまざまなモノを比較し、レポートしていきます。

たべる

売れ筋の品川駅弁12種類を食べ比べ【前編】

P1060356鉄道の旅や、出張帰りの車中でのお楽しみといえば、駅弁。「新大阪編」に続く(…と言えないほど時間が空いてしまいましたが)「品川編」、各売り場で人気の駅弁12種類を9名で食べ比べてみました。

 

品川でお弁当を買うなら?
IMG_2089

さて「各売り場」と書きましたが、品川駅構内で新幹線乗り場に入場するまでにお弁当を購入できる主な場所は、下記3か所。
いずれも中央改札内なので、うっかり北改札から入場しないようにご注意を(北改札内から行くためには、いったんホームに降りる必要があるので)。ちなみに品川駅には「北改札」はあっても「南改札」はありません。
 

1.中央改札を入って左側にあるエキュート品川
IMG_2092
とんかつまい泉の「ヒレかつサンド」と「やわらかヒレかつ弁当」、てとての「野菜たっぷり 深川めし」、つばめグリルの「ハンブルグステーキ」、なだ万の「幕の内弁当」、浅草今半の「すき焼き弁当」を購入しました。P1060422P1060393P1060383P1060404P1060361P1060397

 
2.中央改札からまっすぐ奥に向かったところに位置するエキュートサウス品川
IMG_2101
肉の万世の「ハンバーグサンド」、崎陽軒の「シウマイ弁当」を購入。
P1060418P1060414

 
3.中央改札内から、新幹線南乗換口への連絡通路にあるのが、駅弁屋 品川宿(品川1号売店)。いかにも「駅弁売り場」な佇まいが旅情をかきたてる(気がする)。ここでは、日本レストランエンタプライズの駅弁を取り扱っています。IMG_2095
「東京名物 深川めし」と「夕刊フジ特選おつまみ弁当」が人気とのことで、購入。P1060389P1060370

 
新幹線乗り場に入場後は
新幹線南乗換口から入場して左手のお弁当売り場では、ジェイアール東海パッセンジャーズの商品を取り扱っています。
ここでの一番人気の「貝づくし」を購入。P1060378

日本レストランエンタプライズとジェイアール東海パッセンジャーズは、似た名前・内容の駅弁を出しているので、お目当ての駅弁を購入するときは、間違えないようご注意を。

改札に入る前にエキチカで買うなら、中央改札から高輪口に向かう右手にあるルミネ・ザ・キッチン品川店1階の紀ノ国屋アントレ。(港南口前の「アトレ品川」と間違えないようにご注意を。って、さっきからご注意ばかりしている気がいます)
IMG_2085IMG_2088

「紀ノ国屋」と聞くとお値段高めなイメージですが、カフェのランチっぽいお手頃メニューも少なくありません。
エキナカのお弁当に飽きてきたら一度のぞいてみるのもいいかも。ここでの一番人気「炭火焼き鳥ご飯」を購入。
P1060408

 
「おたくの店でいちばん売れているのはどれ?」と店員さんに聞いて買い集めた、これら12種類の駅弁。
IKEAの青い袋に突っ込んで、品川から大阪まで運んでくれたタイチョウ(アラフォー男性)に敬意を表しつつ、比較検討会はスタート。
東京出張の多い遊民悠民メンバーですが、今回初めて食べる駅弁も多く、いつも以上に熱気あふれる会となりました。
IMG_2109一見、お弁当が入っているように見えない。新幹線車中で、どこに置いていたのか気になる…。

以下、価格帯ごとに試食結果を紹介してまいります。

※価格は2013年5月時点。税込です。
※季節限定のものもあり、内容等変更の場合があります。ご了承ください。

 
【お手頃600円代まで】
サンドイッチと言えば・・・?

エントリーナンバー1
とんかつ まい泉 の ヒレかつサンド(3切れ)
388円【販売場所:エキュート1階】

お手頃度:◎ 晩ごはんまでのリリーフ度:◎

“まい泉の看板商品。やわらかいヒレかつと、特別にレシピを指定して焼いたパン、甘めのソースの三味一体の美味しさが口の中いっぱいに広がります。エネルギー321kcal、食塩相当量1.8g”(企業ホームページより)
P1060424
中身もお値段も小ぶりな「ヒレかつサンド」。新幹線の普通席でも食べやすい箱の大きさで、とんかつを食べたい若い女子も、買うのが恥ずかしくなさそう。

「とんかつ?これはハムカツでは」という、まい泉初心者の疑問の声も「いや、まい泉のとんかつは、こういうものだとみんな知っているから。分かっていて食べるんだから」というまい泉ファンの主張にかき消されました。

ちなみにこのヒレかつ、企業サイトによると

“専用の筋きり包丁で筋を挽き、肉たたきで繊維をほぐします。現在はサンド用のヒレかつの需要が増え、手で仕込むことが難しくなってしまいましたが同様の効果が得られるように独自の機械を開発いたしました。”

ということらしいです。

この原稿を書くにあたって、先日の出張帰り、久々に食べてみました。食感は、いわゆるとんかつとは全く異なりますが、お肉の味わいはしっかり堪能できます。揚げ物らしい猛々しさ?がないから、飽きずに食べられます。

「ちゃんとしたご飯は帰ってから食べるけど、でも小腹すいたし、ビールも飲みたいし、というときに“中継ぎ”としてぴったり」
「3切れ入りだけでなく、6切れ、9切れ入りもあるから、色々な人のお腹に合うんです」。

 
エントリーナンバー2
肉の万世の ハンバーグサンド
650円【販売場所:エキュートサウス「膳まい」】
新幹線車内での食べやすさ:◎  お土産におすすめ度:◎

“万世のハンバーグをフライにし、伝統の特性ソースをたっぷりからめた『ハンバーグサンド』は万かつサンドに次ぐ人気者”(商品パッケージ中フタ記載)
P1060421

まい泉のヒレかつサンドとくれば、お次は肉の万世の「万かつサンド」…と行きたいところですが、店員さんのすすめで「ハンバーグサンド」をセレクト。品川駅で「万かつサンド」を購入できるお店は4か所ありますが、「ハンバーグサンド」は膳まいでしか扱っていないそうです。

「パンが、わりあい時間が経っているわりにはしっとりと柔らかく、ぱさぱさしていない。
ビールのアテには非常に良いのでは」
「片手でつまめるサイズも、車中では食べやすい」
「けっこうボリュームがあるから満足」

P1060432これで一切れ。中身はハンバーグと申し訳程度の量のピクルスなので、食べながらこぼす心配もない!

味については「ちょっと塩辛い」「もうすこし甘味がほしい」という声も。

…ほんとに?

「試食検討会だから、それらしいコメントを」とプレッシャーがかかるのか、皆、にわかグルメ風な発言が多い。会議室にこもって試食するのと、車中揺られながらつまむのと、お土産としてみんなで食べるのとでは、味も変わりそう。

筆者は、試食検討会当日に食べ損ねてしまったので、後日、出張帰りに「ハンバーグサンド」を購入(自腹)。せっかくなので(?)、「万かつサンド」も購入しました(自腹)。車窓の景色を眺めながらつまみ、翌朝、子どもたちと一緒に食べ…。

結論は、「いつ食べても、おいしい」。「誰が食べても、おいしい」。「ビール、コーヒー、牛乳、どれと合わせてもおいしい」。つまり、家族へのお土産にほどよい、ということです。

夕方以降、売り切れていることも多いので、運よく巡り合えたら一度お試しを。このボリュームで650円はお値打ち。温めるとまた違うおいしさが楽しめそうです。

P1060419原材料名の「濃厚ソース」。どんなソースか説明せずにただ「濃厚」。潔い。

 
エントリーナンバー3
紀ノ国屋の 炭火焼き鳥ご飯(十穀米)680円【販売場所:紀ノ国屋アントレ ルミネ ザ・キッチン】
ヘルシー度:◎ あっためて食べたい度:◎

P1060411

ごはんとおかずの二段重ねお弁当。ごはんは十穀米、おかずはやきとり・鶏つくね・レンコンのきんぴら・ブロッコリーと、ヘルシー志向でいかにも若い女性好み。
やきとりとつくねに、卵ベースの特製だれ(写真左上、黒いカップに入っているもの)を絡ませることで、どんぶりっぽくさせる趣向のようです。
「ごはんが、もちもちしてる~」「鳥の味付けは、ちょっと濃いめで、ちょっと辛い」「たれはさっぱりしているから、かけると味が変わるかも~」と、ワイワイ盛り上がっていた女子たちでしたが…。

「レンジ加熱目安は、500Wで1分30秒」と、パッケージに貼られた赤いシールに書かれているくらいだから、本来は、家で温めてこそポテンシャルを発揮するお弁当なのでしょう。加熱されたタレがとろりとなって、ごはん・とり・たれが三位一体となったおいしさを生み出すのでしょう。

冷たいまま食べるのが前提の駅弁として扱ってしまって、ごめん、炭火焼き鳥ご飯。

車中でそのまま食べるのではなく、家でチンして食べるのをおすすめします。

 
【900円代まで その1】
愛しのシウマイ、愛しのひれカツ

続いては、1000円札1枚でおつりがくる800~1000円の価格帯。
まずは、根強いファンが多いこの2つのお弁当から。

エントリーナンバー4
崎陽軒の シウマイ弁当
750円【販売場所:エキュートサウス「膳まい」】
おかず充実度:◎ ごはんのおいしさ:◎

“横浜名物シウマイの妹分として、昭和29年に登場したシウマイ弁当。崎陽軒のこだわりが詰まったこのお弁当は発売以来、多くの方に親しまれ続けています。”(企業ホームページより)
P1060416
駅弁らしい駅弁と言えそうです。おなじみ崎陽軒のシウマイ弁当。

まず、容器が経木の折り、というのが、風情があります。水分を適度に吸収する「おひつ効果」でしょうか、ごはんのもちもち感とおいしさはダントツです。昔ながらの俵型、黒ゴマ・小梅というレトロさもたまりません。

中身は、「昔ながらのシウマイ」に加えて、こんがり焼いたまぐろの照り焼き、筍を甘辛く煮たもの、千切りしょうがなど、普通の駅弁にはまず入っていないようなメンツが勢ぞろい。
とくに筍煮は、味がしみていて癖になるおいしさ。企業サイトによると、「シウマイに次ぐ人気おかず」らしいです。

「このかまぼこも、クラシックで泣かせますね。家でおかんが切ったみたいな」
「シウマイ、唐揚げ、照り焼き、筍をアテにビールを飲んで、残りの昆布・ショウガ・梅干だけで御飯が食べられる」
「ごはんが、とってもおいしい。もっちりというか。むっちりというか」
「なぜか入っているあんずの酸味が、〆のデザートにちょうどいい」
750円という価格も、程よいお手頃感。
筆者個人的には、卵焼きの味がちゃんとしていたことが高評価(今回試食した駅弁の中で卵焼きではナンバーワンだと思います)。

P1060415原材料名の表記「付合せ」って、ずいぶんざっくりしてますねぇ…。

 
エントリーナンバー5
とんかつ まい泉の  やわらかヒレかつ弁当
997円【販売場所:エキュート1階】
エネルギーチャージ度:◎ 満腹感:ずっしり

“自慢のやわらかいヒレかつを存分に楽しめる、まい泉ならではの弁当です。副菜も煮物や玉子焼など充実。ボリュームもありますが、脂身の少ないヒレかつなのでさっぱりお召し上がりいただけます。 エネルギー860kcal、食塩相当量4.2g”(企業ホームページより)

P1060394

どーーん大きく、迫力満点の「やわらかヒレかつ弁当」。このサイズのお弁当を、込んだ新幹線の座席で広げるのは勇気がいるかも。

ここで「シウマイ弁当派」と「まい泉派」の論戦勃発。

「とんかつでビールを飲んでしもたら、後、おかずがないから、ごはんがまるまる余る。そのへんの工夫が欲しいねぇ」
「これはですね『ちょっとお疲れの帰り、外は暗くて景色を見ることなく、ただ“肉”に集中して食べる』のがおすすめです。ストイックにアルコールなしで、お茶とかでね。とにかく失ったエネルギーを、この肉で補いながら帰るわけです」

P1060435ソースの小袋は2つついているので(かつにソースをかけ終わっても、まだ1袋残っている!)、こってりソース派の人も大満足!?後ろに見えるのは、早々に食い荒らされた崎陽軒のシウマイ弁当。

「もう少し脂身というか、にくにくしい感じがほしい」という、若い男女には、ロースかつがおすすめです。

以下、後編へ続く!

後編の内容
■品川名物「貝」対決を制するのは?
■盛りだくさん「おつまみ弁当」の実力は
■つばめ、なだ万、浅草今半。名店対決
■品川駅弁。おすすめ度ナンバーワンはどれ?

ホームへ戻る