遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

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ありとあらゆる情報が溢れるいま、役に立つ情報が見つけにくい。
20代から60代までの「遊民悠民」メンバーが、「遊ぶ」「暮らす」「食べる」をテーマに
さまざまなモノを比較し、レポートしていきます。

たべる

売れ筋の品川駅弁12種類を食べ比べ【後編】

東京(品川)名物といえば、あさりが美味しい「深川めし」。農林水産省郷土料理100選にも選ばれている東京の郷土料理で、複数の駅弁が出ています。
そして、ここ数年「品川名物の駅弁」として人気を集めているのが、「品川貝づくし」。
おまたせしました、後編では「品川貝対決」から始めましょう。

 

【900円台まで その2】
貝づくし VS 深川めし。勝負の行方は

エントリナンバー⑥
ジェイアール東海パッセンジャーズの 品川名物 貝づくし
900円【販売場所:駅構内売店等】
※2013年9月のリニューアルで「焼きホタテ」が追加、価格は930円に。
お酒がすすむ度 :◎ 意外とお腹が膨れる度:◎

貝づくし

ジェイアール東海パッセンジャーズの売店(中央改札から構内に入り、新幹線改札を通ってすぐ左手にある売店。品川駅から新幹線に乗るときに、お弁当を買うラストチャンスのお店です)で、人気ナンバーワンを誇るのがこちら「貝づくし」。
「照りがあって美味しそう!早く食べたい!」と、試食時の事前アンケートでも大人気でした。
奪い合うようにして(?)、試食開始。茶飯の上に、あさり・はまぐり・しじみ・貝柱がみっちりと敷き詰められており、なかなか食べごたえがあります。

「味が濃いねぇ。お酒のあてですな、これは」
「うん、味が濃い。おひたしも辛いなぁ」との声、しきり。(←遊民悠民メンバーは関西出身者が多いので…)
「お酒のあて、と言いつつ、ご飯が意外にがっつり入ってるね」
「あと、これ、ぼろぼろこぼれる(笑)」
「スプーンついているといいのに」 ←こどもか!
「新幹線で、隣の席に若いキレイな人に座られたら、食べにくいよなぁ」
「新幹線で、若いキレイな人が隣に座る確率なんてまずないから大丈夫やろ」 ←失礼かも…
「そういう席を選べたらいいけどねぇ、『えー(E)席』選んだら、隣がべっぴんさんみたいな」

ほろ酔いのおっさんたちの脱線話は無視して、次、次。
「深川めし」の食べ比べにまいります。まずは、季節限定のこちらから。
エントリーナンバー⑦
「てとて」の 野菜たっぷり 深川めし
840円【販売場所:エキュート】
野菜充実度:◎ レア度:◎(季節限定なので)
季節限定の深川めし

そもそも「深川めし」は、あさりがよく採れる隅田川河口の下町・深川で生まれた、漁師さん版ファーストフード。採れたての貝をむき身にして味噌仕立ての汁で煮て、白いご飯にぶっかけて食べていたそうです。厳密には、味噌で煮たあさりをご飯にかけたものを「深川丼」、炊き込みご飯(というか混ぜご飯)にしたものを「深川めし」と呼ぶとか。

で、どうですか、このあさりのボリューム!そして、それを上回るほどの、ごぼうの猛々しいまでの存在感!「野菜たっぷり」と自ら名乗るだけのことはありますが…

「ちょっと、あさりに生姜がききすぎ」
「同感。全体に生姜が勝ちすぎ」との声があがりました。
生姜大好き女子には「これ美味しい~」と大好評でしたので、生姜多めをお好みの方には
おすすめかと。
他のお惣菜は、可もなく不可もなく…というお味でしたが、玉子焼きはやや水っぽくて残念。というか、今回試食した駅弁の中で、玉子焼きがきちんとおいしかったのは、崎陽軒のシウマイ弁当くらいですかね、あくまでも筆者の個人的な感想ですが。

※季節弁当のため、販売していない場合もあります。冬場は「広島産かきめし」もありますよ。

 

エントリーナンバー⑧
日本レストランエンタプライズの 東京名物 深川めし
850円【販売場所:駅弁屋】
バランス:◎ 飽きない度:◎
深川めしその1

続いては、日本レストランエンタプライズの定番、深川めし。
茶飯の上には、あさり・油揚げ・ごぼう・生姜の深川煮と、あぶって味付けした穴子。
箸休めにはべったら付けと小茄子漬が添えられています。

「うん、シンプルで美味しいね」
「生姜がきついとか、塩辛いとか、そういうのがなくて」
「あさりの、ちょっと泥臭いような風味も残っていて、うん、美味しいなぁ」
「貝対決の中では、このお弁当がいいな」
「僕は、シウマイ弁当がなかったら、この弁当にする」
と、関西組も満足げな様子。
「ただねぇ、穴子を弁当に入れるんやったら、下手に薄味にするより、煮てしっかり味付けした方が満足感あるんじゃないかなぁ」。
食べ比べが進むにつれ、メンバーのコメントもグルメ風になってまいりました。
★後日談~これ美味しい!中川家礼二オススメの深川めし
車中の深川めし
試食会では食べませんでしたが、「深川めし」といえば、ジェイアール東海パッセンジャーズ版もございます。
以前、中川家の礼二がテレビで「オススメ駅弁」と紹介していたと聞き、東京出張帰りに食べてみました。

ジェイアール東海パッセンジャーズの 深川めし
880円【販売場所:駅構内売店等】おすすめ!深川めし

薄味なんだけど、飽きない味。生姜の効き具合もほどよく、貝類が苦手な筆者も美味しく感じました。(2013年最後の東京出張の帰りもこのお弁当で締めくくったほど、すっかりリピーターに)

穴子は、ちゃんと焼いてあって甘辛のしっかり味。
ハゼの甘露煮は、甘さとかすかなほろ苦さが絶妙!口にすると、ほろっとなる食感もたまりません。
甘味担当は、残念な玉子焼きではなく、細い短冊状に切った油揚げの煮物。おいなりさんの皮だけ食べているような感じですが、噛むとじゅわっと汁が出て、味・食感に変化をもたらしています。
食感のバランスといえば、箸休めのべったら漬けのポリポリ感も貢献度大!
ほんと、どれも外れのない、飽きのこないお弁当です。
家への手土産にしたところ、酒好きの夫と「魚介類大好き・将来の夢は漁師」の次男に
ぺろりと食べられてしまいました。

「深川めし」駅弁を買うなら、筆者は断然、ジェイアール東海パッセンジャーズ版をおすすめします!

 

■盛りだくさん「おつまみ弁当」の実力は

【ドーンと贅沢 1,000円以上】
品川駅弁食べ比べ。残すは1,000円以上の4品です。
まずは、見た目のインパクト大!売り場でも異彩を放っていたこちらから。
売り場

エントリーナンバー⑨
日本レストランエンタプライズの 夕刊フジ特選おつまみ弁当
1,000円【販売場所:駅弁屋】
期待を裏切らない度:◎ 「いいネ!」度:◎
おつまみ弁当

「夕刊フジ特選おつまみ弁当」は、夕刊フジとNRE(日本レストランエンタプライズ)が共同開発したビジネスマンのための本格的なおつまみ弁当だ。ビジネスマンの嗜好を徹底的に調査し、練りに練ったおつまみ9品目が詰まっている。好みのお酒を飲みながらじっくりと味わっていただきたい。(パッケージより)
だそうですよ、このお弁当。その『練りに練ったおつまみ9品目』とは、
●なめろうがそのまま、さつま揚げとなったオリジナルの「あげろう」
●足まで丸ごと食べられる「カニ唐揚」
●おつまみの定番「ポテトサラダ」
●ボリューム満点「うずら玉子の串揚げ」
●黄身がとろり「半熟味付け玉子」
●ビールがすすむ、ごはんもすすむ「茄子の揚げ浸し」
●きのことにんにくの芽がアクセント。このお弁当の顔「砂肝」
●郷愁をさそう味「里芋のそぼろあんかけ」
●甘さと豆板醤のピリ辛のバランス良し「サーモンのチリソース」
すべて、1段目に入っています。

2段目は、一口サイズの俵ごはん(白飯と茶飯)や香の物、そして、幅をきかせて鎮座しているおしぼり。
「このおしぼり…開けたとき、肩すかしな感じだねぇ」
「もっとも、この段が全部ごはんだったらヘビーだけど」
「若い男子向けかね。おっさんは、一段目とビールでもう腹いっぱいですわ」

その一段目、なかなか濃厚なメンツが揃ってますが、食べてみると

「意外と、味が濃くないかも?」
「おかずによって濃かったり、思った以上に薄かったりしますね」
「パッケージから受ける印象通りの、なんていうか…ジャンキーな味」
「パッケージの期待を裏切らない味(笑)」

「若いコが、facebookに上げ応えのある弁当」という40代男性のコメントに、一同笑いつつも納得。

食べ比べもいよいよ大詰め、残すは東京名店3点のお弁当です。

 

■つばめ、なだ万、浅草今半。名店対決
エントリーナンバー⑩
MAID IN JAPAN つばめグリルの ハンブルグステーキ弁当
1,000円【販売場所:エキュート】
素材安心度:◎ 滋味(地味?)度:◎
ハンブルグステーキ

「ハンブルグステーキ」でおなじみ「つばめグリル」の、テイクアウトお弁当。購入時に「温めますか?」と尋ねられました。あったかい状態で新幹線の中で食することも可能です。(食べ比べ時には、冷めた状態で試食しました。)

ハンブルグステーキ表示とにかく、素材がシンプル!
厳選した国産の食材を化学調味料・保存料を使わずに調理しています。牛肉の生産者名と個体識別番号も記載されていますね。

「ソースが、とってもやさしい味。ごはんにもよく合う」
「噛みしめると、お肉の味が広がるね」
「大きめの玉ねぎも、やさしい味」
と肯定的な人と
「なんか、味がぼやけてる」
と辛口な人とに、見事に意見が分かれました。

「ただ…これで1000円は高いよね。量が少なすぎる」
というコメントには、全員が深く首肯。
「少食で、素材にこだわる人」には満足いただけそうですが、万人向けではないかも…。

 

エントリーナンバー⑪
なだ万の 幕の内弁当(桐)
1,575円【販売場所:エキュート】
※メニューは毎月変わります。
そうだ、京都行こう度:◎ 出汁にホッとする度:◎

なだ万続いては、大奮発、1,500円以上の2品。
まずは、天保元年の創業以来、常に日本料理の正道を守り、その時代に合った味とスタイルを希求しつづける「なだ万」。(ホームページより)

ふたを開けたときの見ため・彩は、さすがなだ万(って、お店に行ったことはありませんが)、さすが1,500円(税抜)。
駅弁らしい、スペシャル感が漂っています。
全体に出汁の味がしっかり聞いていて、関西出身メンバー(とくにオーバー40の男性陣)は口々に
「安心感がある」「ほっとするねぇ」
と大絶賛。
「僕は、これよく食べてます。おかずでお酒を飲んで、最後のしめにご飯でちょうど良いです」とはアラ還メンバー。
京都方面に帰る人(とくに40歳以上男性・呑み助)は買ってみてもいいかも。

ちなみに女性陣は
「いろいろ入っているわりに、いかのバター焼き以外は、どれも似たような味ですね」
「デパートのおせちみたい。“どこかで見たような感”がある」
「1,500円も出して買わないかな。1,500円あればお店でいいランチが食べられるし」
と、けっこうシビアでした…。

 

エントリーナンバー⑫
浅草今半の すき焼弁当
1,575円【販売場所:エキュート】
ていねいな仕事ぶり度:◎
すき焼き弁当
1500円台2つめは、創業明治28年、極上の黒毛和牛すき焼き・しゃぶしゃぶ、日本料理専門店の「浅草今半」。

「お肉が、まるでお布団のようにきちんとたたんで入っていて。丁寧にお肉を入れている感じが、グッときます。肉屋に行くと、近江牛とかええやつって、一枚ずつ分かれてたたまれているでしょ、ああいう高級感がある」
「お肉と、白滝などの他の具材をちゃんと分けて入れているところも、価格に見合った高級感を感じます。普通、すき焼き弁当っていったら、ご飯スペースとすき焼きスペースがあって、すき焼きスペースにぐちゃーとなって入っているけど」
「見た目より、お肉の量が結構あるね」
等など、「1,500円を出すのにふさわしい価値を感じる」と見た目から大絶賛。

口に入れると、ちゃんとしたお肉の旨味と割り下の味がギュッと詰まっていて、まるでお店で、仲居さんにすき焼きを作ってもらっているかのよう。
他のお弁当ではさんざん辛口だったメンバーも
「あぁ、これは本当に美味しい」と、納得・満足しておりました。

 

■品川駅弁。おすすめナンバーワンはどれ?
食べ比べの結果もっとも票を集めたのは、浅草今半の「すき焼き弁当」。
ただしこちらは、お店に出る数はけして多くはないので、いつでも買えるわけではなさそう。
入手しやすさと、比較的お手頃な価格で選ぶなら、750円のシウマイ弁当、もしくは、880円のジェイアール東海パッセンジャーズ版の深川めしが、飽きがこなくておすすめです。
「昼間の移動で、軽く腹ごしらえ」という方は、まい泉のカツサンドも良さそうですね。

あぁ、書いているだけでお腹が空いてきました…。
今週末に東京出張を控えている筆者、次は何を食べようかなーと夢想しつつ、このへんでお開き。
(文:ビッグママ)

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