2012年08月20日
先日、デジタル一眼カメラを新調した。日進月歩のデジタル機器において、実に7年ぶりである。先代のカメラの出来が非常に良く、大きな不満はなかったのだが、開催する写真展でのプリントサイズが年々大きくなり、画素数アップが必須ということでモデルチェンジを決意した。
さすがにデジタルモノの7年のブランクは大きく、型番は同じカメラなのだが、さわってみると別モノである。
まず、ボディーを取り巻くボタン類の多さに閉口。昔ながらの「直感」では操作できない。次に、液晶に映し出されるメニュー設定の多さや難解な新しい言語。カメラにある程度詳しい私でも戸惑うばかりである。絞り、シャッタースピード、ピントの3つの操作で、シンプルに絵づくりが出来たフィルム時代のカメラが懐かしい。
戸惑いはカメラ本体だけではない。メーカーの発売する機種の多さにも、これからカメラを購入する初心者は悩まされるだろう。日本を代表する2大メーカー、数えてみるとデジタル一眼だけでもニコンで7機種、キヤノンで8機種。キヤノンに関しては初心者向けがさらに3つに枝分かれしている。ネーミングも英数字が並び、これがバージョンアップごとに変わるので、よほどのマニアでない限りメモ無しではお店には出向けないだろう。
1996年、アップルを立て直すためにスティーブ・ジョブズが復帰後、最初に行ったこと。それは消費者に対して商品構成をわかりやすく伝えること。何十点とあったパソコンの商品群を4機種に絞った。
デスクトップ、ノート、それぞれのプロ向け、ファミリー向け。
余談だが、当時アップル社員ですら、自社の商品構成を理解していなかったらしい。
詰め込み主義、万人対応を目指す日本のプロダクト。一眼カメラ市場も母体を増やすべく、一般消費者へとさらに裾野を広げようとしている。一眼=マニア向けという概念を払拭するには、「使いやすさ」はもちろんのこと、商品構成の「わかりやすさ・選びやすさ」も大きな基盤になってくるのではないだろうか。