遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

ありとあらゆる情報が溢れるいま、役に立つ情報が見つけにくい。
20代から60代までの「遊民悠民」メンバーが、「遊ぶ」「暮らす」「食べる」をテーマに
さまざまなモノを比較し、レポートしていきます。

あそぶ

ラガールになろう!① 秩父宮

なでしこジャパンの活躍で盛り上がるサッカー人気。ふっと思った。
「ところで、ラグビーは?」

◆ラガ―等のそのかち歌のみじかけれ 横山白虹

私がラグビーをちょっと気にするには、こんな理由がある。
① ラグビーは季語。俳句をする私にとって、冬の季語であるラグビーは
他のスポーツより関心が高い。
② 思春期に読んだ青春小説『青年の樹』(石原慎太郎著。裕次郎で映画化もされたらしい)の影響。青春=ラグビーのイメージ。
そういえば、中村雅俊主演のテレビドラマ「われら青春」も、ラグビー部が舞台だった。
③ 判官贔屓? サッカーは盛り上がっているのに、ラグビーは最近そうでもない?とくれば、「じゃあ、私はラグビー」って思ってしまう(笑)

というわけで(?)、今まさにシーズンのラグビー観戦をするぞ!と思い立った次第だ。

お膝元青山で高まるラグビー熱。未来のラガ―を育てよう!

◆ラガールの友人を水先案内人に

過去に花園ラグビー場で開催された、一日ガイダンスのようなものに参加したことがあるものの、知識も乏しい私。ここは、水先案内人を頼ろう。友人のTさんは、少女時代からのラグビーファン。一人でもスタジオで観戦する筋金入り?のラガールだ。

Tさんが取ってくれていた試合のネットチケット。

「なんでラグビー? どこが好きなんですか?」
「たとえば他の球技は、応援するチームごとに、場所もハッキリ分かれているというか、固まって鳴り物入りで応援するけど、ラグビーは、なんか違う。入り混じって、個人個人で応援しているって感じだし…」(Tさん)
(ん!そういえばラグビーの本に書いてあった。“応援=ストレス発散はなし。大騒ぎしないで熱のこもった観戦をするのがラグビー流”と。
ふむ、あれだな)
「それももしかして、本で読んだ『ノーサイド』精神みたいなのが影響している?」
「そう、それもあるかも」(Tさん)
ラグビーはゲーム終了時を『ノーサイド』と言う。つまり「敵味方なくなる」。さすが紳士の国、イギリスで発展したスポーツだ。
「最近は他のスポーツでも聞くけど、『OneforAll,AllforOne』(ひとりはチームのために、チームはひとりのために)って、もともとラグビーの言葉なんでしょ」
「そう、そう!ラグビーは、まさにそれ」強くうなずくTさん。
ちょっとした下調べをTさんに褒められつつ、こんな会話のやりとりで、はや高揚する観戦前の気分。いざ、ラグビ―の聖地秩父宮へGO!

秩父宮ラグビー場ゲート。ラガールたちも続々と。

 

ビッグなラグビーボールの上にラガ―の像

秩父宮ラグビー場

http://naash.go.jp/chichibunomiya/home/tabid/36/Default.aspx

◆着込んだつもりが…通は、プラス1枚の重ね着を準備!

と、その前に、Tさんに服装を一瞥される。スタジアムは寒いだろうと、けっこう着込んできたつもりだけど?
「ん、1枚足りない。大丈夫、これがある」と、私用にと、薄手のキルトウエアを鞄に突っ込むTさん。さらに「これを!」と爪先に貼るカイロを渡される。両足に貼って、いざ、出陣!?
秩父宮のゲートをくぐり、Tさんの会員証で座席に敷くマットと膝掛けを借り、今年から出来たというラガール席(女性専用)に落ち着く。
私たちの後ろは、一家言ありそうなマダム二人組。年季が入ってそう。
なんだか、かっこいいな。まだ席についたばかりなのに、Tさんに聞いたラグビーの観客の持つ雰囲気に、ちょっぴり納得。自分もその一員になりたいな、と思った。
しっかし、ベースがコンクリートのスタジアム席はやはり冷えますね。Tさんの爪先カイロに大感謝だ。

ラガール席ばかりか授乳室まである.

 

会場で借りたマットを敷いて座る。

 

前席のラガールもしっかり着込んでいる。

◆ラグビーとは走る格闘技だ!!

まさに! ボールを抱え、トライ目指して掛け抜けようとする相手チームの選手を、タックルで阻止する。肉弾飛び交う戦場のようなものだ。
ダイナミックでエキサイティング。
身体を張った見事なタックルに「おー!」と声を上げ、そんなタックルを交わして走り抜ける選手に「わー!」と拍手を送る。
まだ、贔屓チームもない私は、個々の選手の雄姿にまず心打たれる。敵陣を走り抜け、トライを決めるのを見るのは、リフレッシュ効果100%。タックルやスクラムでくんづほぐれつ状態が長いだけに、抜け出したトライの瞬間の爽快さと言ったらない。
「ラグビーではトライを決めた選手がガッツポーズ!…みたいなこともあまりない。それはラグビー流じゃないっていうか…」(Tさん)
選手同士も、さらっと肩をたたいたり、頭を撫でたりといった程度で、大げさにはしゃぐ風でもない。なるほど、この感じね。

◆ドレッドヘアーのノヌーに注目!

ラグビーはルールが複雑で難しいと聞く。でも、それがわからなくても、タックルやトライでの胸のすくような快感は、すぐに得られる。
数ある反則も、今は、掲示板で知らせてくれてるので、放送と掲示板を確かめるうち、私でも少しづつわかるようになる。

「ただいまの反則は~」の放送と共に掲示板に説明が表示される。

また、最初はとくに大勢の動きを追うのは難しいので、誰かに絞って見るとわかりやすい。
第一試合のリコーブラックラムズVSNTTコミュニケーションズシャイニングアークスでは、「リコーのマア・ノヌー。ニュージーランドのオ―ルブラックスから来た選手。人気ですよ」と、Tさんのインプットに、ノヌーに注目! 大柄揃いの選手の中でもひときわ立派な胸板、ドレッドヘアーと目立つので、ノヌ―を追うのは簡単だ。
見ていると、タックルを交わすたくましさ、ボールを持って駆け抜ける強引さ、キックのうまさなどに惹きつけられる。
声援がひときわ多いのも頷けます。ハーフタイムには、少年たちがサインをもらいに集まっていました。

マア・ノヌー

http://www.jsports.co.jp/press/article/N2011102817151003.html

リコーブラックラムズ

http://www.ricoh.co.jp/rugby/

NTTコミュニケーションズ

http://www.ntt.com/rugby/

◆うなぎステップで、肉弾戦をすり抜けろ!

「だけど、ラグビー選手の太ももってすごいね。私の胴より太いと思う」
その筋肉の発達ぶりに、ほれぼれしてしまいます。
「そこだけ注目して見てなかったけど、そう言われればそうですね(笑)」私の目の付けどころに、半ば呆れつつ、頷くTさん。
でも、ほんと、すごい太ももばかりですよ。ネットで見ると「最低限、女性のウエストサイズは必要」とある。あっ、やっぱり!
野球選手でも、松井選手など「ラガー以上の太もも」らしいけど、やっぱり、生足?見えてる分、ラグビー選手の太ももに存在感あり、です。

第一試合が終わり、選手たちに大きく手を振り讃えるマダムも。

そんな発達した体格のラグビー選手たちながら、やっぱり、まだまだ日本選手の体格は、海外に追いつけないらしい。これは肉弾戦では不利ってことで、世界の壁は厚い。
「でもね、たとえばサントリーの小野澤宏時選手は、“うなぎステップ”って走りで、相手ディフェンスをすり抜けるんですよ。
こういうのって、日本人的かも」(Tさん)
第二試合、トップリ―グのランク第一位のサントリーサンゴリアスと近鉄ライナーズとの試合。じゃあ、小野澤選手に注目しよう!
出ました、“うなぎステップ”。鰻のようにニョロニョロ、ではないけど、
左右へのステップで、見事に敵を交わしてすり抜ける!
うん、小気味いい! 動きの機敏さを生かして、大柄の海外勢をすり抜けられれば、体格差もなんのその? なんだか、うれしくなってきました。

TV中継もされる第二試合は、観客もさらに増え…

小野澤宏時
サントリーサンゴリアス

http://www.suntory.co.jp/culture-sports/sungoliath/member/wing.html

近鉄ライナーズ

http://www.kintetsu.co.jp/rugby/

◆国際試合の前の、マオリ伝統の踊り“ハカ”が見たい!

試合に集中していると、意外に寒さは感じないものの、休憩時間等になると思い出したように冷えてきます。飲み物で暖をとりましょう。
コーヒーのほかに、ホットワイン、ホット梅酒、燗酒など売ってます。
Tさんはコーヒー、私は梅酒。アテ?にと買った“青山ドッグ”(クリームの入ったワッフルのような…)、あっさり味でなかなかイケました。

飲食スタンド。フライドポテトはスクラムのネーミング(なるほど)。左端が青山ドッグ。

そして観戦後、バーガー屋で、オニオンスープで再度温まりながら、楽しかった一日を反芻…。Tさん、本当に、ありがとうございました。

「これもまた下調べの時、読んだんですけど。オ―ルブラックスの“ハカ”
が見たいなと思って」今日、試合に案内してもらったばかりなのに、もう先のことを考えている私(笑)
“ハカ”とは、ニュージランドのチーム、オ―ルブラックスが国際試合の前に踊るマオリの伝統的な踊り。現代的なスポーツのシーンに持ち込まれる民族的な要素がすごく魅力的に思え、ぜひ、見たいと!
「あっ、私も見たいと思ってるんです。機会があればぜひ。それと、大人のラガールとして、おしゃれして観戦も。今日もちらっと見かけましたが着物で観戦もいいですね」(Tさん) はい、喜んで!

次回を約しつつ、「ラガールになろう!」初回を締めくくったのだった。
2019年、日本でのワールドカップに向け、筋金入りのラガールを目指すぞ~!(ああ、オニオンスープ、冷えた身体に沁み渡るぅ~)。

対フランス戦のハカ(2006年) ウキペディアより ほら、見事な太ももが、並んでますよね!

ハカとは・・・マオリ族の戦士が戦いの前に、手を叩き足を踏み鳴らし自らの力を誇示し、相手を威嚇する舞。ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)が国際試合前に舞う民族舞踏として有名。英語でウォークライ(War Cry、闘いを叫ぶ)と言う。以上、ウキペディアより。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%AB_(%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9)

ラガールになろう!

安里道行
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