2012年06月27日
京都水族館で時折聞こえた汽笛。近くに遊園地? 子ども向けの汽車でも走らせているのかな?
◆京都水族館の中まで聞こえる汽笛を追って
京都水族館にはレストランがなく、カフェでソフトクリームと“すいぞくパン”(亀でした)を食べただけなので、いざ、遅いお昼を!と、水族館から七条大宮のバス停へと帰りかけたところで道しるべを発見!? えっ、機関車館って?
おなかは悲鳴を上げてるけれど、見逃すわけにはいかない。もと来た道を回れ右、機関車館を目指そう!
京都の人には有名なんでしょうね。私は、京都水族館のある梅小路公園も初めて訪れたので、機関車館なんて初耳。とにかく、いそいそと汽笛の音を追ったのだった。
京都水族館HP
http://www.kyoto-aquarium.com/
◆チンチン電車も到着。レトロな機関車館
汽笛を頼りに梅小路公園を抜けると、突如、現われるレトロな建物。梅小路機関車館は、昭和47年に、日本の鉄道開業100周年を記念して開設。蒸気機関車の保存を目的とした日本初の施設だという。現役の車両基地としても機能していて、機関車の検査・修繕も行っているそうだ。
資料展示室には機関車のカットモデルが置かれ、運転席が体験できる。鉄子でもない私もワクワクして乗り込んだ!
他、歴史資料や画像も見られて、タイムスリップして楽しめる。
梅小路機関車館HP
http://www.mtm.or.jp/uslm/
◆貴重な扇形車庫に、機関車の帰還!!
資料展示室を抜けて機関車展示室へ。蒸気機関車が20台ほども展示されているので、大きさ・広さは押して図るべしだろう。
大正期に建設された扇形車庫がそのまま展示室になっている。
当時多く建設された扇形車庫の現存例として、この展示室自体もまた貴重だ。扇形車庫、そこに扇形に顔?を揃えて出番を待つ機関車たちの姿は壮観だ。
広い車庫を見回るうちに、また汽笛が近づいてくる。思わず車庫から出てみると、なんと目の前に湯気を上げる機関車が到着したではないか。あっ、機関車!動いてる! 魅せられたように雨の中、突っ立っている私の目の前で、機関車は転車台に乗り、方向転換、しずしずと扇形車庫に収まったのだった。
偶然、この機関車庫を訪れ、詳しい展示内容もわからないまま、現物の動く蒸気機関車を突然目にした感動は、大きかった。
目の前の景色は何時代? 雨で灰色に煙る景色がレトロ感をいや増して、しばしタイムスリップ状態で、ボー然としてしまった。
◆転車台とは
転車台(てんしゃだい)とは、ターンテーブルともよばれ、車両の方向を変えるための機械。
◆なんと、原爆の投下目標地点だった!
転車台は蒸気機関車の全盛期には各地の拠点等に必ず設けられていたが、蒸気機関車が廃止され、方向転換の必要がない電気機関車やディーゼル機関車の増加に伴い、不要とされ消えていった。
残った数少ないうちのひとつ、梅小路の転車台は、なんと太平洋戦争時代、原子爆弾の投下目標になっていたという。京都は広島に並ぶ投下地候補だったそうだ。
そんな史実も踏まえながら見る転車台、そしてその上で向きを変える蒸気機関車は、いっそう印象深い。
日本の近代遺産50選・梅小路蒸気機関車庫
http://www.adnet.jp/nikkei/kindai/27/
◆いろいろ楽しめる梅小路公園
京都水族館、梅小路蒸気機関車館と、見どころの多い梅小路公園は平成七年に開園。京都駅から徒歩でも15分と、街なかにある花と緑の憩いのスペースだ。
建都1200年記念に創られた日本庭園「朱雀の庭」や、自然がいっぱいのビオトープ「いのちの森」などもある。
雨の中歩いた「いのちの森」ではウシガエルが大合唱。池にはアメンボウと共にオタマジャクシ(巨大だったので、ウシガエルジュニアか?)が泳いでいた。
庭園の入口となる緑の館にはレストランもあり、昼食難民だった私たちもランチをいただいた。
梅小路公園界隈は、いろいろ楽しみどころの多いレジャースポットだ。子連れ、孫連れに、そして大人にも興味深いスポットがある場所だ。単に遊ぶだけではなく、歴史や希少生物の現状に触れることのできる時間を、大人も子どもも共有できる場として、おすすめしたい。
京都市都市緑化協会HP(梅小路公園紹介)
http://www.kyoto-ga.jp/umekouji/midorinoyakata/index.html
よろしければ、先に訪れた京都水族館についての記事もどうぞ。
オオサンショウオに会いに京都水族館へ。