2013年03月11日
三徳社を通りすぎて、少し下ったあと、急な石段を上がったところが「四ツ辻」。
ここから頂上までが周回コースになっている。広くはないが平坦なところにはベンチも。振り返ると木立が切れて、京都の南が眼下に広がる。
飲み物を買い、一息入れてから反時計周りに右手の道を進む。ランニング姿で軽やかに追いぬいてゆく人もいる。クロスカントリーには持って来い、というところだが今日は初午で人が多く、走りづらそう。
「三ノ峰」の「下之社」(白菊大神)に到着。『峰』は巡拝路から数mの高さに設けられた神蹟で、そこに礼拝所『社』が設けられている。ちなみに「二ノ峰」には「中之社」、「一の峰」には「上之社」が設けられている。この三社があるところが「稲荷三峰」の霊地である。
この三社の祭神は別、上社:大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)、中社:佐田彦大神(さたひこのおおかみ)、下社:宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)が祀られている。ここのほか下社摂社の田中大神(たなかのおおかみ)と中社摂社の四大神(しのおおかみ)をあわせ五柱が伏見稲荷大社のご祭神であり、この五社が一宇相殿に祀られているのが本殿である。
三ノ峰から更に鳥居の下、二ノ峰を目指す。途中の「間ノ峰」には「荷田社」がある。ちなみに荷田氏は稲荷社の神官であり江戸時代、国学四大人の一人、荷田春満を輩出している。春満は外拝殿横の「東丸神社」祀られ、学問の神様として受験生の参拝も多いようだ。
この辺りになると、さすがに息が上がってくる。寒さに備えてかなり着込んできたので汗も出てきた。手袋、帽子と脱いで次はコートも脱いで二ノ峰へ。一気に上がってきたので「中之社」(青木大神)にお参りするついでに一息入れる。
社の周りにある「お塚」と呼ばれる信者が作った小さな社を見て歩く。その数は数え切れないほど多い。それぞれに小さな鳥居、狐の像があり、狐の表情も優しいのもあり、人相ならぬ狐相の悪いものあり、見ていて飽きることはない。
狐に力を頂いて、いよいよ山頂の一ノ峰へ。ようやく山頂の「上之社」(末広大神)に到着し、社に手を合わる。
第三十六峰「稲荷山」登頂である。ほとんどが石段で山に登ったという感じはあまりしない。
すぐにそのまま下りの道に。引き返すのではなく円周の半分側を進むことになる。下りの石段はかなり急な石段が続く。逆から登っていたら、最後のこの急階段はかなりきついそう。こちらから登って正解で合ったかもしれない。所々には数日前に降った雪が残っていた。
降りて少しゆくとやや平坦なところにでる。ただ、左側には大きな岩がそびえている。「劔岩」と呼ばれる磐座の一つである。しめ縄も張られている。
次の社は御膳谷奉拝所の前にある「眼力社」。いかにも目にまつわる難儀を解決していいただけるようなお社である。「眼力」からビジネストレンドや株価の流れを見極める、ということでビジネスマンの信仰も集めている。
ここまで来ればあと一息。すこし歩くと「四ツ辻」に戻った。そのまま本殿の方に降りようとすると、「京都トレイル」の文字が目に入った。案内を見ると、東福寺まで約25分、泉涌寺まで約30分とある。帰りはやはり京阪が便利なので東福寺を目指す。
東福寺までの道は転げ落ちるように急なアスファルトの道を辿る。途中までは車も上がれるようになっている。お山巡りの途中の茶屋などはここから荷物を運ぶのであろう。道の脇にはクルマやバイクも多く停められていた。
急な坂を出ると突然、閑静な住宅地にでる。そのまま東福寺を目指して歩いいていると「崇徳天皇皇后聖子 月の輪南陵」に表示が目についたので、陵に通じる道をたどると、思わぬ広い陵墓の前にでた。そこからは京都市街も望め、ちょっとした発見であった。
更に下ると東福寺の六波羅門にでたので、門から入り、いつもながら伽藍の大きさに感心しながら境内を通り、日下門からでて、臥雲橋を渡り、仁王門を横にみて北門から京阪東福寺駅へ。ホームで電車を待ちつつ、持ってきて忘れていた「仙太郎」のどら焼きを食べて今日の稲荷山登山を終えた。