遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

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ありとあらゆる情報が溢れるいま、役に立つ情報が見つけにくい。
20代から60代までの「遊民悠民」メンバーが、「遊ぶ」「暮らす」「食べる」をテーマに
さまざまなモノを比較し、レポートしていきます。

あそぶ

ミラーレス一眼を使う その1

カメラ誌、トレンド誌、PC誌などだけでなく全国紙コラムにも
取り上げられるようになった「ミラーレス一眼」。新しい記事を
見かけない日が無いほど注目を集めているカメラだ。

けれどその内容は新製品と新しく盛り込まれた性能や機能に絞られがち。使ってみましたライターやユーザーレポートもいち早く記事をのスタンスが目立つ。

そこでもう少しゆっくり落ち着いて、ある程度長く使ううちに
気づくことや沸いてくる思いを残すものもあってよいのではないか。
とまぁカマエる気はないのだが、この1年ほどの間に使用頻度ではメインカメラになってしまったミラーレス一眼について、あれやこれやを緩々書いてみたいと思う。まずはその-1、最大特長ともいえるサイズについてから。

掌(たなごころ)

カメラがフィルムからデジタルになって一眼レフは大きく重く
なりすぎた。一方コンパクトタイプはここにきて特に小さく
軽くなりすぎたという感じが強い。それぞれに作品、記録という用途へ振りきったかたちなのだろうけれど、どちらもカメラ暦が長かった手にはなじみが今ひとつなのだ。

デジタル一眼レフ。いさんでデジイチを手に入れたものの
フィーバー6ヶ月をすぎると、よほどのイベントがないと庫からとり出しもしないなんてことになってはないか。原因はやはり首や肩にずしっとくる重さと、なんとも収まりの悪いかたちと大きさだろう。

一方最近のコンパクトデジカメは、液晶モニタがボディ背面
いっぱいに配置されていて、どこをどう持てばいいのと悩んでしまう。
薄型なのも収納にはありがたいが、ちゃんと構えようとすると
握りにくい。そんなモデルが多くなった。性能うんぬん以前に、しっかり撮る気をなくしそうだ。

そんな両者の間で、携えて操作して構えて撮る、つまり普通に親しくカメラするのに今いちばんうまく掌にはまってくれるのがミラーレス一眼ではないかと思うのだが、諸兄はいかがだろう。

写真左は1938年発売、約70年以上前に作られたLeica IIIb。
35mmフィルムカメラ誕生時の原型をよくとどめたモデルだが、世界で初めてのミラーレス一眼OLYMPUS PEN EP1と並べてみた。
ほぼ変わらない大きさなのがわかる。サイズ的に原点回帰。
体(手)が求めるにふさわしいカメラの大きさとはまさしくこんなものだとはいえないだろうか。

上から見るとほんとうによく似たボディサイズ。レンズを沈胴させて携帯性を高めるアイデアも70年前そのままに引用している。
レンズ部の大きさに関してEP1のものがズームやオートフォーカスの機能などでずいぶん大型化しているのは、まぁ仕方ないか。

OLYMPUS PENと競合するSONY NEX5も比べてみた。
こちらのレンズはどちらも短焦点。とはいえボディとレンズの
バランスはそれぞれに大きく違う。それでも総じての持ちごこち、掌な感じは似ているのだ。

結論。ミラーレス一眼というと何かと一眼レフに比べて小さい軽い、それもうちが世界一だぁばかりを次々言いたてられても気にしないでおこう。そんなことにはキリが無いんだし。
ミラーレス一眼、何がよいって掌なところがよいのよ。

諸兄もぜひカメラ店またはカメラ売り場で握り倒し比べてみてほしい。そして掌にしっくりなお気に入りを見つけよう。

ことわっておくが、(開放F値が)明るく(焦点距離が)長い望遠レンズを装着し三脚にセットして狙う被写体にはやはり大型で重量級の一眼レフが似合う。

滋賀県 草津の烏丸半島に群生する蓮を狙う白レンズの巨砲列・・・
ミラーレス一眼を持ってこの場に参加するのはかなり勇気が必要だ。

なので、すぐそばにある水性植物公園みずの森で栽培展示されていた睡蓮や蓮(これなら誰にもすぐそばまで寄れる)をパシャ、パシャッ。

標準ズームでの撮影だが、望遠側いっぱいにズームして最短撮影可能な距離まで近寄れば、これくらいは背景をボカシて主役をアピールできる。

というわけで次回はミラーレス一眼でよく話題になる、
そのボケについて書いてみる予定だ。ではまた。

ミキオ
掌 -ミキオ
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