遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

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ありとあらゆる情報が溢れるいま、役に立つ情報が見つけにくい。
20代から60代までの「遊民悠民」メンバーが、「遊ぶ」「暮らす」「食べる」をテーマに
さまざまなモノを比較し、レポートしていきます。

あそぶ

花折街道 雛のつどい

能勢妙見一の鳥居あたりから妙見参道に至る今の国道477号線沿いの能勢街道を昔は花折街道とも呼んだらしい。この何とも風情のある地名を復活させ、街道を雛で彩ろうという試みが、今年初めて行われた。
飾る区間は、能勢電鉄妙見口駅あたりから、旧道沿いの吉川八幡神社のあたりとその周辺。妙見山への登山ルートにもあたり、そこそこ人通りのある道だが、典型的な里山のひなびた街道筋だ。
100メートルほどの間隔を置いて、何本かの竹筒に紙雛が鎮座している。かぐや姫みたいで、なにやら愛らしい。他にも雛に因んだ子どもたちの絵があったり、一般のお宅の玄関にも雛壇が設えられていたりする。「ご自由にお入りください。」との心づかいがうれしい。祇園祭の宵山、町家の屏風や飾り者を見物客に披露する屏風祭のお雛様バージョンだ。

民家の門口に飾られた「かぐや雛」

あぜ道にも。

塀際には豪華2セット版。

丁寧に作られているお雛様。みんな少しずつ違う。

立派な雛壇。あるお宅の玄関先を開放して見せてくれている。

掲示板の子どもたちの描いた絵も雛一色。

なかには変わり者も居る。田んぼの土で作った「土雛」がそれ。どことなくユーモラス。内裏雛というより昔話にでてくる、爺様、婆様のようだ。同じ「土雛」でも、点目のかわいいものも。

目を引かれたのは、紙雛と季節の花を「活けた」竹筒をずらりと掛けたウッドフェンス。実南天、菜の花、つぼみの梅、そして水仙。早春のほのかに淡い花の色がとても上品で素敵だ。こちらはスペインはコルドバの『花の小径』の北摂版だ。

『田んぼの土雛』。何ともいい味が出ている。

同じ土雛でもこちらはキッズ。点目がかわいい。

 

能勢の「コルドバ」。雛と季節の花がリズミカルに並ぶ。

雛と季節の花が交互に掛けられている。

菜の花。

実南天

梅蕾。

水仙。

このプロジェクトの発起人の一人が「galleryたまや」の上田厚子代表。「もともと豊能町吉川地区の地域おこしになればと思って始めたものなのです。地域の方から、お雛様を出してもらって・・・。結構家にあるものなのですね。竹筒に雛を飾るのは、オリジナルのアイデアではなく、お雛様で町おこし、村おこしを実行しているところでは、よくあるやり方なのですね。」と、上田さん。

ギャラリーたまや代表の上田さん。手に持っているのは火吹き竹。

小ぶりだがほっとやすらぐ、ギャラリーたまや。 ギャラリースペースは畳張り。

ギャラリー内部。

ギャラリーの中は雛尽くし

プロジェクトの一環、「つながり雛」。

震災支援のつながり雛」もプロジェクトの一環。ボタンでいくつもつなげられる豚革の男雛と女雛のセット価格は、622円。(3.11×2で設定された価格)1セットの材料費208円を差し引いた414円が、岩手県大槌町「子供の学び基金」にメッセ―ジとともに届けられる。因みに大槌町は、豊能町の消防隊員の皆さんが、震災後いち早く支援に駆けつけたご縁のあるところ。

公民館の中も雛尽くし。里山に春を告げるこの催しが好評で、恒例行事になることを願ってやまない。

なお、このイベントは4月3日まで開催されている。

公民館に飾られた立派なお雛様。

公民館の和室に掲げられていた雛のお軸。

妙見へ、京へ、亀岡に通じる能勢街道。3月は花折街道になる。

中田無麓

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