2012年04月04日
静御前を守った功により、義経より『源九郎』の名と“初音の鼓”を賜った白狐(文楽『義経千本桜』より)のその後は? 実は郡山市に、その狐を祀る、その名も『源九郎稲荷神社』が鎮座する。
◆義経の名をもらった『源九郎さん』は、日本三代稲荷
地元では『源九郎さん』の名で親しまれる小さな稲荷。本殿に『白狐源九郎』が祀られ、五穀豊穣・商売繁盛の御利益があるとされている。
4月の第一日曜日は『源九郎稲荷春季大祭』で、白狐に扮した子供たちが練り歩く白狐渡御がある。
文楽の『義経千本桜』大好き、狐忠信(源九郎狐)好きの私としては、ぜひ一度見てみたいと、4月1日、源九郎稲荷を訪れた。
大和郡山市観光協会HP(源九郎稲荷神社、お城祭り)
http://www.yk-kankou.jp/
義経千本桜について→「気楽に文楽:静御前のお供は狐だった」
http://yumin2.jp/talk/kitune/
◆一匹、また一匹。境内に子狐たちが現れて…
白狐行列は2時頃出発とのことで、1時半ごろになると境内に白狐に扮した子供たちが集まり始める。狐面を頭にかぶり、顔にも狐の化粧をした子供たちは、たいへん愛らしい。
白狐渡御は時代行列といっしょになって、市内を巡行するのだ。
大和郡山お城まつり恒例:白狐お渡り2012
http://www.youtube.com/watch?v=yB4i4VjbjUs
子供たちが踊り歩く白狐囃子は中山晋平作曲
http://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/rekisi/src/history_data/h_100.html
◆江戸~大正の木造建築が残る町並み
この日は午前10時に行われた源九郎稲荷の祈願祭から覗き、午後の渡御まで周辺を散策した。江戸~大正の木造建築も残り、歩くにも楽しい町だ。元藍染商という箱本館『紺屋』では、藍染体験ができる。
金魚の町郡山らしく、金魚の意匠の小物の展示も興味深い。
箱本館『紺屋』
http://www.hakomoto.com/
◆黒山の人だかり! ならぬ白山の人だかり?とは…
ところで『源九郎稲荷神社』は小さなお稲荷さんだし、白狐渡御も知る人ぞ知るかしらん?と思っていたが、境内に集まったのは白狐たちだけではなかった。
白狐を囲む黒山の人だかり! ならぬ白山の人だかり?
シルバーグレイのヘアが輝く、年配のカメラ軍団が集まってきていた。子狐たちの家族が、コンパクトカメラで記念撮影するのとは違い、年配のカメラ軍団は一眼レフで活写していた。男性はもちろん、年配の女性カメラマニアが多いのにも驚いた。比較的軽い一眼レフが出てきたせいだろうか。
子狐たちには、おじいちゃん、おばあちゃん世代。年の功ではないが、子供たちに話しかけるのがうまく、子供の目線にかがんでやりとりしながら、踏み込んだ写真を撮っていた。
家族も公認で、かわいい被写体を存分に撮るには、絶好の機会なのだろう。
上手な人のコミュニケーション術は、撮影ハウツウになりそうだと思いながら見ていたが、一方でプロカメラマン目線のちょっとしたアドバイスがあれば喜ばれるだろうな、と思うシーンも。
たとえば、おちょけものの子供が一人でもピースをすると(必ずいるけど)、台無しになってしまう写真(記念撮影にはいいけれど)。これを避ける持っていきようとか。子供の行動を踏まえたポイントがいろいろありそう…。
つい、心の中でマニュアル本を企画してしまった(笑)
人気の趣味総合ランキング3位「写真」
50代女性のランキングでも3位に!
http://www.syumisaga.com/list/ranking/woman_1.html
「デジタル一眼レフ」所有率は70代で28.8%
http://www.senior-promo.com/?p=1881
ちょっとおもしろい記事発見
[デジタルシニアのためのサクセスフルエイジング]
デジタル写真撮影で脳を若返らせる
http://special.msn.co.jp/money/msn_nomura_110610/p3.html
小雨のせいか、冷え込んできた。行列の進行を待つ子狐たちも傘が欲しそうだった。年配のカメラマニアのように、熱心な撮影者ではない私は、行列を送りだして閑散とした稲荷にもう一度お参りして、文楽好きには堪らない、『初音の鼓』のお守りを購入。
すっかり満足して、早々に引き上げることにしたのだった(笑)。