遊民悠民(ゆうみんゆうみん)

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ありとあらゆる情報が溢れるいま、役に立つ情報が見つけにくい。
20代から60代までの「遊民悠民」メンバーが、「遊ぶ」「暮らす」「食べる」をテーマに
さまざまなモノを比較し、レポートしていきます。

あそぶ

気楽に文楽④白狐が町にあふれる日

静御前を守った功により、義経より『源九郎』の名と“初音の鼓”を賜った白狐(文楽『義経千本桜』より)のその後は? 実は郡山市に、その狐を祀る、その名も『源九郎稲荷神社』が鎮座する。

◆義経の名をもらった『源九郎さん』は、日本三代稲荷

地元では『源九郎さん』の名で親しまれる小さな稲荷。本殿に『白狐源九郎』が祀られ、五穀豊穣・商売繁盛の御利益があるとされている。
4月の第一日曜日は『源九郎稲荷春季大祭』で、白狐に扮した子供たちが練り歩く白狐渡御がある。
文楽の『義経千本桜』大好き、狐忠信(源九郎狐)好きの私としては、ぜひ一度見てみたいと、4月1日、源九郎稲荷を訪れた。

JR郡山駅より徒歩10分の『源九郎稲荷神社』。

 

本殿の白狐。なんだか妖艶。

 

九郎義経の名を賜った“源九郎狐”の謂われ。

 

狐の絵馬。“初音の鼓”のお守りも。

 

源九郎さんの春まつりは、お城まつりの時期でもある。

 

笑うお狐さまは、珍しいのでは?

大和郡山市観光協会HP(源九郎稲荷神社、お城祭り)
http://www.yk-kankou.jp/
義経千本桜について→「気楽に文楽:静御前のお供は狐だった」
http://yumin2.jp/talk/kitune/

◆一匹、また一匹。境内に子狐たちが現れて…

白狐行列は2時頃出発とのことで、1時半ごろになると境内に白狐に扮した子供たちが集まり始める。狐面を頭にかぶり、顔にも狐の化粧をした子供たちは、たいへん愛らしい。
白狐渡御は時代行列といっしょになって、市内を巡行するのだ。

山車を覗いたり、はしゃぐ子狐たち。

 

狐と狐が向き合って…(笑)

 

いざ、白狐行列。

 

子狐には。ちゃんとしっぽが…

 

静御前もおはします。

 

進行待ちで、ちょっと休憩。

 

時代行列の高校生たち.

大和郡山お城まつり恒例:白狐お渡り2012
http://www.youtube.com/watch?v=yB4i4VjbjUs
子供たちが踊り歩く白狐囃子は中山晋平作曲
http://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/rekisi/src/history_data/h_100.html

◆江戸~大正の木造建築が残る町並み

この日は午前10時に行われた源九郎稲荷の祈願祭から覗き、午後の渡御まで周辺を散策した。江戸~大正の木造建築も残り、歩くにも楽しい町だ。元藍染商という箱本館『紺屋』では、藍染体験ができる。
金魚の町郡山らしく、金魚の意匠の小物の展示も興味深い。

元遊郭という旧川本邸。木造三階建て。

 

藍染体験ができる箱本館『紺屋』

 

『紺屋』の中では金魚の意匠展が…。これは帯。

 

金魚の帯留。象牙、メノウ、貝など素材もさまざま

 

ガラス天井に金魚!水族館のような浮世絵も?

 

金魚の街郡山らしい道のタイル。

箱本館『紺屋』
http://www.hakomoto.com/

◆黒山の人だかり! ならぬ白山の人だかり?とは…

ところで『源九郎稲荷神社』は小さなお稲荷さんだし、白狐渡御も知る人ぞ知るかしらん?と思っていたが、境内に集まったのは白狐たちだけではなかった。
白狐を囲む黒山の人だかり! ならぬ白山の人だかり?
シルバーグレイのヘアが輝く、年配のカメラ軍団が集まってきていた。子狐たちの家族が、コンパクトカメラで記念撮影するのとは違い、年配のカメラ軍団は一眼レフで活写していた。男性はもちろん、年配の女性カメラマニアが多いのにも驚いた。比較的軽い一眼レフが出てきたせいだろうか。
子狐たちには、おじいちゃん、おばあちゃん世代。年の功ではないが、子供たちに話しかけるのがうまく、子供の目線にかがんでやりとりしながら、踏み込んだ写真を撮っていた。
家族も公認で、かわいい被写体を存分に撮るには、絶好の機会なのだろう。
上手な人のコミュニケーション術は、撮影ハウツウになりそうだと思いながら見ていたが、一方でプロカメラマン目線のちょっとしたアドバイスがあれば喜ばれるだろうな、と思うシーンも。
たとえば、おちょけものの子供が一人でもピースをすると(必ずいるけど)、台無しになってしまう写真(記念撮影にはいいけれど)。これを避ける持っていきようとか。子供の行動を踏まえたポイントがいろいろありそう…。
つい、心の中でマニュアル本を企画してしまった(笑)

人気の趣味総合ランキング3位「写真」
50代女性のランキングでも3位に!
http://www.syumisaga.com/list/ranking/woman_1.html
「デジタル一眼レフ」所有率は70代で28.8%
http://www.senior-promo.com/?p=1881
ちょっとおもしろい記事発見
[デジタルシニアのためのサクセスフルエイジング]
デジタル写真撮影で脳を若返らせる
http://special.msn.co.jp/money/msn_nomura_110610/p3.html

小雨のせいか、冷え込んできた。行列の進行を待つ子狐たちも傘が欲しそうだった。年配のカメラマニアのように、熱心な撮影者ではない私は、行列を送りだして閑散とした稲荷にもう一度お参りして、文楽好きには堪らない、『初音の鼓』のお守りを購入。
すっかり満足して、早々に引き上げることにしたのだった(笑)。

小雨を避けて軒下へ。押し合い、へしあい。

 

狐の袋に入ったお守りを購入。

安里道行
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